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西宮市の夙川にある動物病院のブログです。犬と猫の歯医者さんもしています。
肝臓病のセミナーに行ってきました。
2009年08月10日 (月) | 編集 |

8月1日(土)に慢性肝疾患における内科管理というセミナーに行ってきました!



実はこのセミナー、大阪市内で19時〜22時というスケジュールで午後の診察時間とかぶってしまうのであきらめていたのですが、


良いのか悪いのか受付終了の19時半で仕事が終わることができたので、なんとか20時45分ぐらいに会場に到着することができました


途中からしか聴講できなかったのですが参加して良かったです。久しぶりに「目からうろこ」でした


 


肝臓病が進んで肝臓の働きが落ちてくるとタンパク質をうまく代謝できなくなって痙攣をおこすので、食事に含まれるタンパク質の量を制限しなければいけません。


しかしタンパク質を制限しすぎると低タンパク血症をおこしてお腹に水が貯まったり色々と障害が起こってしまいます。


このジレンマを解決するために、タンパク質の量を制限しつつアミノ酸の比率を工夫して代謝しやすくしている肝臓病用フードで食事療法をおこないます。


 


ここからが今回のセミナーの本題です


今までは肝臓の働きが落ちてくると漠然と肝臓病用フードで食事療法ということがおこなわれていたのですが、


新しい方法は血液中のアミノ酸濃度を測ってタンパク質の代謝がうまくいっているのかを確認して栄養管理をするということでした。


これまでは《肝臓の働きが落ちている→肝臓病用フードを与える→状態が良くない→重病だから仕方がない??》でしたが、


これからは《肝臓の働きが落ちている→肝臓病用フードを与える→状態が良くない→血液中のアミノ酸濃度を測定し、異常なら食事療法の見直し》となります。


今回の報告では、肝臓病用フードを食べているだけではタンパク質の代謝がうまくいっていないことが多く、


血液検査結果をもとに食事療法の見直しをするだけで格段に状態が改善することが多いということです。


血液検査と食事療法というあまり負担のかからない方法で肝臓病とうまくつき合えるかもしれないという、うれしい治療法の講演でした


 


*注意*


肝臓病用フード(ヒルズ l/dやウォルサム 肝臓サポート)は、肝臓病が進んで肝臓の働きが落ちたとき用の特殊な食事です。


血液検査で肝臓の酵素ALT(GPT)やAST(GOT)が高いだけで、肝臓の働きが落ちていない場合に肝臓病用フードを食べていると、


肝臓が再生する(治る)ために必要なタンパク質が不足して、むしろ悪化してしまう可能性がありますので気をつけてください


 


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 アッシュ犬猫クリニック  西宮市の夙川にある動物病院です


 http://www.hdc-clinic.com/


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