前回、予告していた開胸手術の続きです
今回は手術中の写真が出てきますので、血や内臓が写っている写真が苦手な方は絶対見ないでくださいね
去年、当院で実施した開胸手術の原因はかなり珍しいものでした
どういう病気かというと異所性甲状腺癌というものです
まず甲状腺癌は、犬では全腫瘍の中で約2%といわれている珍しい部類の腫瘍で、
首の気管の両脇にある甲状腺が腫瘍化したものです。
甲状腺癌は、稀に本来の場所ではない舌や胸の中、心臓といった場所に発生することがあって、
その場合に異所性甲状腺癌という言い方をします
さて、今回はどうやって胸の中の甲状腺癌が見つかったのかというと、
足にできた腫瘍を手術でとるための麻酔前検査で実施した胸のレントゲン写真で偶然発見されました。
(この時13歳でしたが、1週間前からやや多飲多尿かな?ぐらいで、その他には全く変わったことはありませんでした)
その時のレントゲン写真
今回、まだ腫瘍(甲状腺癌)の大きさが小さかったので、肋骨の間を開けて手術をしたのですが、
腫瘍が大きかったり周りへの癒着がある程度予想される場合は、胸骨(背骨の反対側)を切って胸を
ガバッと大きく開けて手術します。
手術中の写真です
腫瘍の一部が肺に癒着していたため、肺の部分切除も同時に実施しました。
摘出した腫瘍です
術後11日で皮膚を縫っていた糸を抜糸したときの写真です(現在は毛が元通り生えているので、傷口はわかりません)
手術1ヶ月後のレントゲン写真です
定期検診や麻酔前検査をしていると、元気にしていているワンちゃんやネコちゃんに大きな病気が
見つかることがあります。
特に今回は、足にできた良性の腫瘍をとる手術のための麻酔前検査で悪性の癌が発見され、
検査の大切さを改めて実感することとなりました
そういえば開業してから人間ドックに行ってないので、私も健康診断に行かないと。。。
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アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
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