ずいぶんとブログをほったらかしにしていました
単にずぼらだったわけではなく割とバタバタと休日も働いていたので仕方がなかったのです。
そんなふうに思っていると、頭の奥の方から「それじゃあ仕方がない」という癒し系の言葉が聞こえてきます。
まったく都合のいい思考回路です
8月22日(土)と27日(木)の21時半〜23時半に箕面市にある北摂夜間救急病院のセミナールームで開催されたセミナーに行ってきました。
22日は酪農大学 廉澤先生による腫瘍症例検討会、27日はIDEXX 平田先生の血液学でした。
両方とも本にはのっていない情報満載で、行って正解のすごく勉強になるセミナーでした
その中ででてきた話題を一つ紹介してみたいと思います。
犬の皮膚腫瘍の中でもっとも多いといわれている肥満細胞腫(皮膚以外にも発生します)の治療薬についてです。
肥満細胞腫は悪性度によって3段階に分かれていて、一般的な分類方法でもっとも悪性のグレード3は外科手術単独での治療では
5年生存率が13%というデータがある恐い腫瘍です
悪性度の高い肥満細胞腫に対して4年ぐらい前からメシル酸イマチニブという抗癌剤が使われるようになってきました。
従来の抗癌剤はがん細胞だけでなく正常な細胞も障害を受けるので副作用が起きやすいのですが、このメシル酸イマチニブという薬は分子標的薬というもので、
がん細胞を選択して攻撃するために効果が高く副作用は少ない非常に優れもののお薬なのです。
そんな良いお薬にもやはり欠点があります。
このお薬、めちゃくちゃ費用が高いのです
10kgのワンちゃんだと1日に1カプセル飲むことになるのですが、これが病院に入ってくる金額で1カプセル3300円ぐらいします。
原価で考えても薬代だけで30日、10万円(20kgだと20万円)
この鬼のような費用について朗報です。
インドの会社が販売しているジェネリック(後発品)だと1カプセル370円ぐらいで個人輸入できるそうです。
ただインドの会社は先発品の権利を無視して後発品をつくっているため、未承認医薬品という扱いになるみたいです。
ジェネリックは先発品と同じ薬効成分でも効果が落ちることがあるため使うかどうか悩むのですが、
廉澤先生が使った感触ではこの薬の場合はしっかり効果が出ているみたいです。
先発品からジェネリックになるとすごく安くてお得な感じがしますが、1日の薬代が原価で370円、
この金額だけで考えるとお得な感じではなく現実を感じますね
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アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
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