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西宮市の夙川にある動物病院のブログです。犬と猫の歯医者さんもしています。
猫のワクチンで病院選び
2014年12月07日 (日) | 編集 |
犬もワクチンを接種しますが、今回は限定のお話です。

ワクチンで病院選び」って、どういうことでしょう
選ぶ基準って「近いから。口コミ。紹介。ホームページ。費用」などが一般的なのかなと思いますが、
実は、「ワクチンを接種する場所」で選びます

病院で注射を接種される場所は一般的に首の後ろや背中ですが、ワクチンや一部の注射は
そこを避けることが推奨されます。
では、どこに接種するの??
大腿部や上腕部、尾が推奨されています。

なぜそんな注射しにくい場所にした方がいいかというと、では1万分の1ぐらいの確率で
の注射部位肉腫(ワクチン関連肉腫)」が注射した場所に発生するからです。
(肉腫は癌と同じようなもので、命に関わる悪性の腫瘍です)
猫の注射部位肉腫

の注射部位肉腫は、すごく体の深くまで入り込んでいくので、首の後ろや背中にワクチン
注射して、もし肉腫ができてしまったら背骨や脊髄があるので肉腫を完全切除できません。
大腿部だと、乱暴な考え方かもしれませんが、もし肉腫ができても足を犠牲にして命を
救える可能性があります。
そして猫の場合、人と違って3本足で机にジャンプして跳びのったり走り回れるのです

猫の注射部位肉腫は1991年に初めて発表され、1996年にはアメリカで注射部位肉腫に
関する対策委員会が設立され、「首の後ろや背中へのワクチン接種は推奨しない」と
提案されました。
しかし、2014年になってもアメリカでも日本でもまだまだ背中へのワクチン接種は、
行われています。
だめ

実際、引越しなどで転院してこられた方で、今までそんな話は説明されずに背中にワクチンを
接種されていたケースは、時々あります

説明が面倒なのか、いつもの慣れている場所に注射したいのか、何十年もワクチンを接種してるが
肉腫ができたことがないからなのか、まさか知らないなんてこともあるのか。。
理由はわからないですが、少し説明をして注射をする場所を足にする。
たったこれだけのことで、万が一ですがもし肉腫ができてしまったとしても最悪の事態が防げる可能性が
あります。

ちなみに犬にはワクチンで肉腫は、できません

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アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です。
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