2023年06月10日 (土) | 編集 |
最終日になってしまいましたが、6月4日~10日は、歯と口の健康週間(ヒト)って知ってました?
戦前の6月4日、むし歯予防デーから名前を何度も変えて、今は歯と口の健康週間という表現になっています
どういうことかというと「正しい知識の普及と予防習慣の定着、併せて早期発見・早期治療の徹底により歯の寿命を延ばして健康でいられるように」という内容です。
これは、犬と猫の歯と口にも当てはまります
正しい知識の普及ですが、犬と猫の歯と口にとってこれが最重要課題なのかもしれません。
犬と猫の歯科治療をしている動物病院は実は5%未満のため、正しい情報が少数派意見としてかき消されてしまい、正しい知識はなかなか普及していきません。
※歯科治療をしている動物病院:歯科レントゲン検査とプロービング検査等で診断し、治療をしている動物病院。
そういったこともあり、未だに間違った知識が定着していて、それによる歯の被害(ひいては犬と猫の被害)もなくならないという現状があります
例)硬いものを噛むと歯や顎が強くなる。
→強くなりません。むしろ歯が折れたり傷ついていきます。

悪い歯は、そのうち抜けるので放置。
→歯が抜けるのを待つというのは、あごの骨が溶けていくのを放置するということですが、グラグラになっていても全然
抜けずに広範囲に骨を溶かし続けることはよくあります。

早期診断・早期治療は小型犬の歯周病にとっては重要で、2歳までに80%が歯周疾患にかかるというデータがあります。
そして進行が速い場合は、3歳の時点で何本も歯を抜かないといけないぐらいに悪くなっていることもあります。

※猫でも進行が速いケースは全然ありますが、犬猫ともに重症でもほとんどの子が食べることが出来ているために気付かれずに放置され、どんどん手遅れになってしまっていることがほとんどです。
歯を残すため(歯と口の健康のため)の早期診断・早期治療のガイドラインが、アメリカ動物病院協会から2019年に発表されています。
以下に一部抜粋します。
・歯の見た目がきれいでも2歳になる頃には全身麻酔下で歯科レントゲンを含めた口腔内検査とスケーリング(歯石除去)等を実施する。
・そしてその後は半年から1年毎に全身麻酔下でメンテナンスを行う。
・歯周病を放置するリスクよりも半年毎に麻酔をかけるリスクの方が低い。
当院では、個々の状態・経過等の諸々を考慮して、実際のメンテナンスや治療スケジュールを決定しています。
まだまだ日本では、「歯石が付いている=病気」、「治療=歯石を取る」といった誤解が根強いため、
無麻酔で歯石取りといったサービスが受け入れられてしまうのかなと思っています
11日以降も、犬と猫の歯と口の健康に関する情報を発信していく予定です!
~~~~~~~~~~~~~~~
アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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戦前の6月4日、むし歯予防デーから名前を何度も変えて、今は歯と口の健康週間という表現になっています

どういうことかというと「正しい知識の普及と予防習慣の定着、併せて早期発見・早期治療の徹底により歯の寿命を延ばして健康でいられるように」という内容です。
これは、犬と猫の歯と口にも当てはまります

正しい知識の普及ですが、犬と猫の歯と口にとってこれが最重要課題なのかもしれません。
犬と猫の歯科治療をしている動物病院は実は5%未満のため、正しい情報が少数派意見としてかき消されてしまい、正しい知識はなかなか普及していきません。
※歯科治療をしている動物病院:歯科レントゲン検査とプロービング検査等で診断し、治療をしている動物病院。
そういったこともあり、未だに間違った知識が定着していて、それによる歯の被害(ひいては犬と猫の被害)もなくならないという現状があります

例)硬いものを噛むと歯や顎が強くなる。
→強くなりません。むしろ歯が折れたり傷ついていきます。

悪い歯は、そのうち抜けるので放置。
→歯が抜けるのを待つというのは、あごの骨が溶けていくのを放置するということですが、グラグラになっていても全然
抜けずに広範囲に骨を溶かし続けることはよくあります。

早期診断・早期治療は小型犬の歯周病にとっては重要で、2歳までに80%が歯周疾患にかかるというデータがあります。
そして進行が速い場合は、3歳の時点で何本も歯を抜かないといけないぐらいに悪くなっていることもあります。

※猫でも進行が速いケースは全然ありますが、犬猫ともに重症でもほとんどの子が食べることが出来ているために気付かれずに放置され、どんどん手遅れになってしまっていることがほとんどです。
歯を残すため(歯と口の健康のため)の早期診断・早期治療のガイドラインが、アメリカ動物病院協会から2019年に発表されています。
以下に一部抜粋します。
・歯の見た目がきれいでも2歳になる頃には全身麻酔下で歯科レントゲンを含めた口腔内検査とスケーリング(歯石除去)等を実施する。
・そしてその後は半年から1年毎に全身麻酔下でメンテナンスを行う。
・歯周病を放置するリスクよりも半年毎に麻酔をかけるリスクの方が低い。
当院では、個々の状態・経過等の諸々を考慮して、実際のメンテナンスや治療スケジュールを決定しています。
まだまだ日本では、「歯石が付いている=病気」、「治療=歯石を取る」といった誤解が根強いため、
無麻酔で歯石取りといったサービスが受け入れられてしまうのかなと思っています

11日以降も、犬と猫の歯と口の健康に関する情報を発信していく予定です!
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アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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2017年03月29日 (水) | 編集 |
「無麻酔で歯石取り(歯石除去)ってしてもらえますか??」
「無麻酔の歯石取り(歯石除去)ってどうなんですか??」
以前から時々、診察の時や電話の時にされる質問です。
「無麻酔での歯石取り(歯石除去)」は、トリミングサロンや動物病院でも
行っているところがあり、飼い主さんの間で話題になることも多いみたいなので、
取り上げてみたいと思います
まず結論ですが、
「無麻酔での歯石取り(歯石除去)」は全くお勧めしていません。
(限定された状況で一部分だけ割るように取ることはあるかもしれません)
何年も前から日本小動物歯科研究会、アメリカ獣医歯科学会でも注意喚起されています。
詳細は下記のリンク先に記載されていて、「無麻酔での歯石取り(歯石除去)」に
反対している動物病院のHP上での意見もほぼ同じ内容です。
(http://sa-dentalsociety.com/news/dental%20scaling.pdf)
飼い主さんとお話したり、「無麻酔での歯石取り」を宣伝しているホームページを見たりすると、色々と誤解や間違った情報などで「無麻酔の歯石取り」が良いと思われている方が多く、それによる弊害が出てきてしまっているので、お勧めしない理由を書きますね。
無麻酔での歯石取りが広まってしまった要因には、
歯石や歯周病とその治療に対する大きな誤解や間違いと、
動物病院側の問題もあると思っています。
まず歯石と歯周病についてですが、
・見える範囲の歯石を取って見た目をキレイにすることが、歯周病の治療ではありません。
(以前にも書きましたが、悪さをするのは歯石ではなく歯垢です)
そしてそもそも見た目のキレイさや汚れ具合だけで歯周病の程度は判断できないのです。

上の図を見てもらえると解るのですが、見えない部分(歯肉・歯周ポケットの中)の 歯垢・歯石や歯の周りの組織の損傷が問題なのです。
歯垢・歯石がどんどんと歯の根の方へと入り込んで行くとともに、歯の周りの骨が溶けてなくなっていっています
つまり、見えない部分(歯周ポケットの中)の歯垢・歯石を取らずに見た目だけキレイにしても、歯周病は進んでいきます。
そして無麻酔では、見えない部分(歯周ポケットの中)の歯垢・歯石を取ることはできないので、治療にはなりません(治療以前に無麻酔では口の中の検査・診断ができず、治療内容を決定できません)。
実際に無麻酔の歯石取りをしている施設のホームページに掲載されている施術後の写真を見ても、ポケットから顔を覗かしている歯垢・歯石が手付かずで残ったままになっています。(人ではポケット内の歯石はすぐに取らなかったりもしますが、これは犬猫と人では色々なことが異なるためです)
つまり無麻酔での歯石取りは見た目を多少キレイにすることはできても治療にはならないので、犬や猫からするとストレスがあるだけでメリットはほとんどありません。(動物病院以外で治療行為をしてはいけないので、治療効果がほとんどなくて当たり前ですが)
そして弊害として、歯石取りをして歯の表面がある程度キレイになる、臭いが軽減されることで、「歯周病が改善されたので治療を受けなくてもいい」、「定期的に歯石取りをしていれば悪くならない」という誤解が起こり、歯周病が治療されずに進行していってしまいます。
その結果、歯を支える骨や歯肉が溶けて無くなり、目の下に膿がたまる、鼻の蓄膿症が起こる、小型犬では下顎の骨折というところまで悪化してしまっていることもあります。。
まだ次回もこの話題は続きますが、歯の治療について知っておいて欲しいことがあります
・無麻酔では歯周病の治療どころか検査・診断ができません。
検査・診断ができないということは、治療が必要かどうかも解らないということです。(見た目が比較的キレイでも検査をすると抜歯しないといけないことはあります)
・見た目では歯周病の重症度は解らないので、プロービング(細い棒で歯周ポケットの深さを測定)や歯のレントゲン検査などを実施して病状を把握します(皆さんが初めて歯医者さんに行くと必ずされる検査です)。

上の写真はプロービングをしているところです。
ここまで深く入らなくても痛いので無麻酔ではできません。

上の写真は、下顎の切歯と犬歯のレントゲン写真の撮影方法です。
仰向けにして、口の中に入れたフィルムと歯の根の角度を元に
設定した方向からX線を照射します。
どう考えても無麻酔では無理です。
(普段、胸やお腹を撮影するときのフィルムやセンサーは大きすぎて
口の中にはうまく入らないのと、画質の問題で正確な診断が難しいので、
歯科用の小さくて高感度なフィルムやセンサーを使用します)

上の写真は、下顎の切歯と犬歯の実際のレントゲン写真です。
・歯のレントゲン検査を実施している動物病院は増えてきていますが、
まだまだ少数派です。
その理由はまた後日書きますね。
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アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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「無麻酔の歯石取り(歯石除去)ってどうなんですか??」
以前から時々、診察の時や電話の時にされる質問です。
「無麻酔での歯石取り(歯石除去)」は、トリミングサロンや動物病院でも
行っているところがあり、飼い主さんの間で話題になることも多いみたいなので、
取り上げてみたいと思います

まず結論ですが、
「無麻酔での歯石取り(歯石除去)」は全くお勧めしていません。
(限定された状況で一部分だけ割るように取ることはあるかもしれません)
何年も前から日本小動物歯科研究会、アメリカ獣医歯科学会でも注意喚起されています。
詳細は下記のリンク先に記載されていて、「無麻酔での歯石取り(歯石除去)」に
反対している動物病院のHP上での意見もほぼ同じ内容です。
(http://sa-dentalsociety.com/news/dental%20scaling.pdf)
飼い主さんとお話したり、「無麻酔での歯石取り」を宣伝しているホームページを見たりすると、色々と誤解や間違った情報などで「無麻酔の歯石取り」が良いと思われている方が多く、それによる弊害が出てきてしまっているので、お勧めしない理由を書きますね。
無麻酔での歯石取りが広まってしまった要因には、
歯石や歯周病とその治療に対する大きな誤解や間違いと、
動物病院側の問題もあると思っています。
まず歯石と歯周病についてですが、
・見える範囲の歯石を取って見た目をキレイにすることが、歯周病の治療ではありません。
(以前にも書きましたが、悪さをするのは歯石ではなく歯垢です)
そしてそもそも見た目のキレイさや汚れ具合だけで歯周病の程度は判断できないのです。

上の図を見てもらえると解るのですが、見えない部分(歯肉・歯周ポケットの中)の 歯垢・歯石や歯の周りの組織の損傷が問題なのです。
歯垢・歯石がどんどんと歯の根の方へと入り込んで行くとともに、歯の周りの骨が溶けてなくなっていっています

つまり、見えない部分(歯周ポケットの中)の歯垢・歯石を取らずに見た目だけキレイにしても、歯周病は進んでいきます。
そして無麻酔では、見えない部分(歯周ポケットの中)の歯垢・歯石を取ることはできないので、治療にはなりません(治療以前に無麻酔では口の中の検査・診断ができず、治療内容を決定できません)。
実際に無麻酔の歯石取りをしている施設のホームページに掲載されている施術後の写真を見ても、ポケットから顔を覗かしている歯垢・歯石が手付かずで残ったままになっています。(人ではポケット内の歯石はすぐに取らなかったりもしますが、これは犬猫と人では色々なことが異なるためです)
つまり無麻酔での歯石取りは見た目を多少キレイにすることはできても治療にはならないので、犬や猫からするとストレスがあるだけでメリットはほとんどありません。(動物病院以外で治療行為をしてはいけないので、治療効果がほとんどなくて当たり前ですが)
そして弊害として、歯石取りをして歯の表面がある程度キレイになる、臭いが軽減されることで、「歯周病が改善されたので治療を受けなくてもいい」、「定期的に歯石取りをしていれば悪くならない」という誤解が起こり、歯周病が治療されずに進行していってしまいます。
その結果、歯を支える骨や歯肉が溶けて無くなり、目の下に膿がたまる、鼻の蓄膿症が起こる、小型犬では下顎の骨折というところまで悪化してしまっていることもあります。。
まだ次回もこの話題は続きますが、歯の治療について知っておいて欲しいことがあります

・無麻酔では歯周病の治療どころか検査・診断ができません。
検査・診断ができないということは、治療が必要かどうかも解らないということです。(見た目が比較的キレイでも検査をすると抜歯しないといけないことはあります)
・見た目では歯周病の重症度は解らないので、プロービング(細い棒で歯周ポケットの深さを測定)や歯のレントゲン検査などを実施して病状を把握します(皆さんが初めて歯医者さんに行くと必ずされる検査です)。

上の写真はプロービングをしているところです。
ここまで深く入らなくても痛いので無麻酔ではできません。

上の写真は、下顎の切歯と犬歯のレントゲン写真の撮影方法です。
仰向けにして、口の中に入れたフィルムと歯の根の角度を元に
設定した方向からX線を照射します。
どう考えても無麻酔では無理です。
(普段、胸やお腹を撮影するときのフィルムやセンサーは大きすぎて
口の中にはうまく入らないのと、画質の問題で正確な診断が難しいので、
歯科用の小さくて高感度なフィルムやセンサーを使用します)

上の写真は、下顎の切歯と犬歯の実際のレントゲン写真です。
・歯のレントゲン検査を実施している動物病院は増えてきていますが、
まだまだ少数派です。
その理由はまた後日書きますね。
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アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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2016年10月31日 (月) | 編集 |
前回の続きですが、まずはときどき実際にある残念な相談を紹介したいと思います
重度歯周病で「歯がグラグラ」しているのを心配して動物病院に行ったら、
「歯は放っておいたら抜けるからそのままでいい」と言われたけど本当に大丈夫ですか?
という相談です。
大丈夫ではないです。。
重度歯周病を放置するなんて、とんでもないことです((((;゚Д゚)))))))
歯周病は進行性の病気なので、治療しない限りどんどん悪化していきます。
つまり、歯が抜けるまで着々と歯肉やあごの骨がなくなって、
歯周病菌が口の中だけでなく血流に乗って全身を侵し続けるのです。
グラグラしてるから簡単に歯が抜け落ちてくれるかというと、そうでもありません。
歯の根の周りの歯肉や骨がかなり溶けても、歯が抜けなくてどんどん悪化してた結果、
小型犬だと骨が溶け過ぎて下あごの骨折が起きたりもします
通常の歯周病では重度になっていても症状が解りにくく、
「口が臭いけど食べれてるから歯はそれほど悪くないだろう」ぐらいにしか
家族は思っていなかったりします。
そしてびっくりすることに、ワクチンなどで毎年動物病院を受診していても口の中を診てもらえてなくて、
歯をほとんど抜かないといけないぐらいに重症化している犬や猫が結構いるのです。。
人間と違い、犬や猫は自分で歯磨きができないですし、口の中がおかしいと感じても
病院を受診することもできないので、人間では考えられないぐらいにひどい状態になってしまいます。
どんな状態になるかというと、、
・ 比較するためにまずは正常な状態と骨模型です(右の上あごの奥歯です)。
健康なら歯の根は骨に埋まっていて、もし歯肉を取り去ったとしても歯の根は見えません。


・ 右の上あごの大きな奥歯です(歯石や歯垢で歯が覆われてしまっています)。

・ 歯の根の周りの歯垢(プラーク:ドロドロした細菌の塊。歯肉や骨を溶かす原因です)を除去したところですが、
歯の根の周りの歯肉や骨が歯周病で溶けてしまって、歯の根が見えています。

上の写真のような状態でもドッグフードを丸呑みして食べれるので、
食事を食べれているからそんなに痛くない、ひどくないと誤解されていることが多々あります。
歯がグラグラにならないようにすることが大切ですが、
なってしまったら放置せずにすぐに治療をしてあげることで
痛みをなくしてあげるとともに、さらなる被害を食い止めることが重要です
~~~~~~~~~~~~~~~
アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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重度歯周病で「歯がグラグラ」しているのを心配して動物病院に行ったら、
「歯は放っておいたら抜けるからそのままでいい」と言われたけど本当に大丈夫ですか?
という相談です。
大丈夫ではないです。。
重度歯周病を放置するなんて、とんでもないことです((((;゚Д゚)))))))
歯周病は進行性の病気なので、治療しない限りどんどん悪化していきます。
つまり、歯が抜けるまで着々と歯肉やあごの骨がなくなって、
歯周病菌が口の中だけでなく血流に乗って全身を侵し続けるのです。
グラグラしてるから簡単に歯が抜け落ちてくれるかというと、そうでもありません。
歯の根の周りの歯肉や骨がかなり溶けても、歯が抜けなくてどんどん悪化してた結果、
小型犬だと骨が溶け過ぎて下あごの骨折が起きたりもします

通常の歯周病では重度になっていても症状が解りにくく、
「口が臭いけど食べれてるから歯はそれほど悪くないだろう」ぐらいにしか
家族は思っていなかったりします。
そしてびっくりすることに、ワクチンなどで毎年動物病院を受診していても口の中を診てもらえてなくて、
歯をほとんど抜かないといけないぐらいに重症化している犬や猫が結構いるのです。。
人間と違い、犬や猫は自分で歯磨きができないですし、口の中がおかしいと感じても
病院を受診することもできないので、人間では考えられないぐらいにひどい状態になってしまいます。
どんな状態になるかというと、、
・ 比較するためにまずは正常な状態と骨模型です(右の上あごの奥歯です)。
健康なら歯の根は骨に埋まっていて、もし歯肉を取り去ったとしても歯の根は見えません。


・ 右の上あごの大きな奥歯です(歯石や歯垢で歯が覆われてしまっています)。

・ 歯の根の周りの歯垢(プラーク:ドロドロした細菌の塊。歯肉や骨を溶かす原因です)を除去したところですが、
歯の根の周りの歯肉や骨が歯周病で溶けてしまって、歯の根が見えています。


上の写真のような状態でもドッグフードを丸呑みして食べれるので、
食事を食べれているからそんなに痛くない、ひどくないと誤解されていることが多々あります。
歯がグラグラにならないようにすることが大切ですが、
なってしまったら放置せずにすぐに治療をしてあげることで
痛みをなくしてあげるとともに、さらなる被害を食い止めることが重要です

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アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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2016年09月13日 (火) | 編集 |
今回はようやく病気のお話です
以前から書きたかったことでもあり知っておいてほしい「グラグラの歯」について書きます
まず歯がグラグラする原因ですが、ほとんどが歯周病です。
(他には脱臼、破折、吸収病巣、骨折、腫瘍などがあります)
歯周病はどんな病気かというと細菌の塊である歯垢(プラーク)が歯の周りの組織(歯肉や骨)を壊す病気で、
歯周病菌が血液と一緒に全身に散らばって様々な臓器に悪さをするので、口の中だけの病気ではありません。
歯がグラグラするのは歯周病でも重症です
人のほうで解りやすい歯周病の図があったので、貼りますね(犬・猫も進行の仕方はほぼ同じです)。

これだけでも「歯がグラグラ」というのが良くないことだと、お解りいただけたかと思います。
ただ悲しいことに犬・猫では3歳をこえると80%が歯周病になっているとのデータがあるのですが、
特に小型犬では人間では考えられないぐらいに重症化することがよくあります
もう少し続くのでまた次回

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アッシュ犬猫クリニック
西宮市の夙川にある動物病院です
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以前から書きたかったことでもあり知っておいてほしい「グラグラの歯」について書きます

まず歯がグラグラする原因ですが、ほとんどが歯周病です。
(他には脱臼、破折、吸収病巣、骨折、腫瘍などがあります)
歯周病はどんな病気かというと細菌の塊である歯垢(プラーク)が歯の周りの組織(歯肉や骨)を壊す病気で、
歯周病菌が血液と一緒に全身に散らばって様々な臓器に悪さをするので、口の中だけの病気ではありません。
歯がグラグラするのは歯周病でも重症です

人のほうで解りやすい歯周病の図があったので、貼りますね(犬・猫も進行の仕方はほぼ同じです)。

これだけでも「歯がグラグラ」というのが良くないことだと、お解りいただけたかと思います。
ただ悲しいことに犬・猫では3歳をこえると80%が歯周病になっているとのデータがあるのですが、
特に小型犬では人間では考えられないぐらいに重症化することがよくあります

もう少し続くのでまた次回

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