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西宮市の夙川にある動物病院のブログです。犬と猫の歯医者さんもしています。
しらたま(うちの猫)の去勢手術(4)
2011年09月03日 (土) | 編集 |

台風の移動速度が、予報通りでかなり遅いですね


ただ想像していたのと違い、今日の西宮の雨と風はとくに強くなく、むしろ昨日の方が強かったです。


他の地域は、大丈夫なのかな??


このまま、暴風雨にならずに過ぎ去ってほしいですね


 


さてさて、今回はとうとう抜糸をしてしらたまの去勢手術のお話は、完結です


抜糸の時期は、手術の場所や内容によって変わります(同じ手術でも病院によって異なったりもします)。


当院では、犬猫ともに去勢手術は7日後、避妊手術は10日後に実施していて、



抜糸が終わると次の日にはシャンプー可能とお話ししています。



抜糸は糸を切ってスッと抜くだけですので、通常、痛みはなくすぐに終わります



 



 


ほとんどのわんちゃん・ねこちゃんの場合は、じっとしていてくれるのですぐに終わるのですが、


しらたまは。。


前回の血管確保の絶叫に引き続き、今回も何かされると警戒して嫌がります。


その結果、マットの上に仰向けに寝かせてしっかり押さえることになったのですが、


普通に暴れてました


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/41ee43598196b0db4dca927827e3ac72


獣医師の家の猫は、さぞかしお利口で治療に協力的なのだろうと思われている方もおられるかもしれませんが、


現実はそんなことはありません(うちの子だけかもしれませんが)


気を取り直して、なんとか抜糸をしました。



ほんとは、抜糸は押さえたりせずにサクッと簡単に終わりますよっていう動画をお見せしたかったのですが、



実際の様子はこんな感じでした



http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/5d398b1edb70f2435a944f28520d4617


 



 



 



抜糸が終わると、しらたまの機嫌はすぐになおってます


嫌なことはすぐに忘れる素晴らしい性格です



http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/52d5e886b5060b7ef77655994ce2370b


 


今は去勢避妊手術の情報があふれかえっていますが、文章での説明がほとんどでイメージがわきにくい様な気がします。



うちの子の去勢手術があったので良い機会と思い、画像と動画をつかって実際にどんなことをしているのか書いてみました


実際の手術がどんな感じで行われているのか、少しでも参考になれば幸いです


 


 


 


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 アッシュ犬猫クリニック  西宮市の夙川にある動物病院です


 http://www.hdc-clinic.com


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しらたま(うちの猫)の去勢手術(3)
2011年08月30日 (火) | 編集 |

1週間で3回目の更新


なんかブログっぽいですね


 


前回の続きで、手術が終わって麻酔から覚醒するときのお話をしますね 


手術が終わる(皮膚を縫い終わる)頃には、ガス麻酔をOFFにします。


そうすると、ほとんどの犬猫は5〜10分ぐらいで麻酔から覚醒し始めます(動き始めます)


覚醒してきて口をハグハグ動かすようになると、呼吸状態も安定しているので気管チューブを抜いてしまいます。


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/3a2433ffaded63c12553c1cd57fdb684


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/396e5df26a05f2d95a702e44830464f7


 


気管チューブを抜いた後、だいたいは10分以内にお座りや歩くことができるようになります。 


人の場合、手術した日は動けないイメージですが、ワンちゃん・ネコちゃんはすごいですね


ちなみにしらたまの手術直後の状態はこんな感じでした。


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/88c2350fb019435cae9c44bedba94017


 


当院では、手術してから抜糸までエリザベスカラーというエリマキトカゲのエリのようなものを着けて、


傷口の保護をしていただいてます。



病院によっては着けないところもあるようですが、ワンちゃんやネコちゃんは傷口を気にして舐めたるどころか、



糸を咬みきって傷口を開けてしまうこともあります。


何かあってからでは遅いので当院では手術後にエリザベスカラーは必須です



(避妊手術をした日の夜に自分で傷口を開けてしまって亡くなったお話を


飼い主さんから身近に起こった出来事として、今までに何件か伺ったことがあります)


 



エリザベスカラーをしてると食べれるの? 生活は不自由じゃないの? 寝れるの??


といった質問をよく受けます。


大丈夫です


たまに着けてると固まってしまって動かないというこもいますが、ほとんどのこは全然気にせず過ごしてくれます


しらたまの食べてる動画です



http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/9a37705136bc278c1dd02bd0574d9262



そして、遊んでいる動画です



http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/88dfeefe508a35c2c736a93314fe8cdf



最後に寝ている姿は、静止画です



 


次回、いよいよ抜糸について書いたら、しらたまの去勢手術のお話は終了になります


 


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 アッシュ犬猫クリニック  西宮市の夙川にある動物病院です


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しらたま(うちの猫)の去勢手術(2)
2011年08月27日 (土) | 編集 |

前回に引き続き、しらたま(うちの猫)の去勢手術をお届けします


 


ほとんどの動物病院は、午前診と午後診の間に手術や検査をおこなっています


当院では、去勢手術は日帰りなので午前中にお預かりして、お昼に手術、


午後の診察時間の時に退院となっています(女の子の避妊手術は1日入院です)。


 


それでは、手術のための全身麻酔についてお話ししますね


当院では、麻酔の量を減らすためにまず鎮静剤と鎮痛剤を麻酔前に使用しています。


そして注射麻酔で意識をなくしてから気管にチューブをいれて(気管挿管)、


ガス麻酔で麻酔状態をコントロールしていきます


 


気管挿管(気道確保):気管にチューブをいれることですが、そうすることによって呼吸が止まっても


              すぐに人工呼吸をすることが出来たり、ガス麻酔を使用することが可能になります。


              麻酔が深くかかると呼吸が止まってしまうので、安全のために気管挿管は大切だと思っています


ガス麻酔:注射麻酔より優れている主な点は、麻酔の深さの調節がしやすい、麻酔からの覚醒が早いです。


注射麻酔:ガス麻酔と比べてのメリットは、血管確保や気道確保をせずに筋肉注射もしくは静脈注射をするだけで実施可能なので、


      麻酔をする側にとって、手間とコストがかからないということだと思います。


      


さてさて実際の麻酔はどんな感じに行われているか、動画をお見せしたいと思います


動画は注射麻酔で意識をなくしてから挿入した気管チューブを、麻酔器につなぐところまでです。


(動画はあくまで当院での麻酔方法です) 


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/57b6d7f9a6a899661db8d5d4791a1133


 


麻酔がかかると、心電図や血圧計、体温計などを付けて、体の状態をモニターできるようにします。


その後、手術をしやすい体勢にかえてから、手術をする部分の毛刈りをして消毒をします


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/592c2b16c26a508429c1ba5307659f90


麻酔がかかっているので当然ですが、動画中のしらたまは右手を触られても反応しません


 


 毛刈りが終わったところです


 手術中の動画は、少しですが血が見えてしまうので自粛しますね


病院では血が見えてても平気な方には、どういう手術をしたのか画像と動画をお見せして説明しています。


 手術後の写真です


 


なんとなく実際の手術の流れが伝わりますでしょうか??


続きはまたまた次回になります    


            



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しらたま(うちの猫)の去勢手術(1)
2011年08月24日 (水) | 編集 |

お盆が過ぎてもまだまだ暑いですね


残暑きびしい昨日、しらたま(うちの猫)の去勢手術をしました


 


ブログではまだまだ赤ちゃんって感じの写真しか載せていないですが、


実はすっかり大きくなっていてもう約5ヶ月になっております


(ブログの更新をさぼっている間にもうすっかりお年頃のやんちゃさんです)


 


いい機会なので、全身麻酔や去勢手術がどのように行われているのか、


見たことのある人は、ほとんどいないでしょうから公開してみたいと思います。


ただし、以下の麻酔から手術の流れはあくまで当院の方法であり、


前に書きましたように病院によって良くも悪くもやり方は、様々です


 


当院では全身麻酔をする場合、どんなに短時間の麻酔でも


何かあったときにすぐに治療ができるように、血管確保と気管挿管は必ずしているのですが、


まずは血管確保について説明しますね


 


血管確保:犬猫では、一般的に前足の血管に柔らかいチューブを入れて、テープで固定します。


       これをしていると、注射の度に血管に針を刺さなくてもチューブからお薬を静脈に入れることができる。


     状態が急変して一刻を争うときでも、すぐに静脈にお薬をいれて治療ができる。


     チューブを使って静脈点滴をすることができるといったメリットがあります。


     (人と同じように注射針を直接血管に刺すと、犬猫はじっとしていてくれないので


     えらいことになってしまいます)


 


それでは、実際にはどうやって血管確保をしているのか、動画でお見せしたいと思います


(注:動画中のしらたまは、すごく嫌そうに鳴いてますがほとんどのこは、大人しくしてくれています


   うちの子がダメみたいな説明になってるので、しらたまの名誉のために言いますが、


   ふだんは聞き分けの良いいい子なんです。決して親バカではありません


   たぶん。おそらく。。)


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/44c210ea2c06d3bbe6cfefd85e9148c5


 


全身麻酔をかけるときは、絶食絶水をしてきてもらうので若干脱水をおこします。


脱水のまま全身麻酔をかけるのはよくないので、麻酔前に血管にいれたチューブから


点滴のスピードをコントロールする器械を使って、静脈点滴を実施しています。


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/e9dfaa81393a2195a69f455f23864d2b


点滴のチューブは長く自由に動くことが可能なので、そんなにストレスにはなりません


(逆に人の点滴の方がじっと寝ていないといけないので、しんどい気がします)


 


長くなってきたので、続きは次回に書きますね


 



 


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犬猫の去勢手術と避妊手術(不妊手術)について
2011年04月01日 (金) | 編集 |

震災で甚大な被害を受けられた被災地の皆様には、謹んでお見舞いを申し上げますとともに、


一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。


 


前々回にひき続き、去勢手術と避妊手術(不妊手術)について書きますね


この2つの手術は、ワンちゃんとネコちゃんにとって、一番メジャーな手術なのに


あまり内容が知られていないというのが現状です。


動物病院側からすると、日常的な手術であり飼い主さんから質問もされないので、


説明をしなくて当然?になっているのだと思います


 


実は、動物病院によって考え方や実施方法にけっこう違いがあります


・麻酔前検査:する or しない。する場合、どんな検査をするのか。


・麻酔方法(基本的に全身麻酔です):血管確保をしているか。気道確保をしているか。注射麻酔 or ガス麻酔。


・麻酔モニター:きちんとした機械があるか。麻酔記録をとっているか。


・点滴:する or しない。静脈点滴 or 皮下点滴。


・手術方法(避妊手術):卵巣摘出 or 卵巣子宮全摘出。


・使用する糸(糸によって問題が起こることがあります):絹糸 or ワイヤー or 溶ける糸(体に残りません)。


・縫い方:適当 or 丁寧。


・手術場所:手術室 or 診察室(嘘のような話ですが、同級生の勤務先では避妊去勢手術を手術室があるのに診察室でしていました)


・消毒滅菌(きちんとしていて当たり前ですが):手術器具の滅菌をしているか。気管チューブを滅菌しているか。手術着を滅菌しているか。


 滅菌した手袋を使用しているか(後輩が働いている病院は素手で手術をしていました)。


・鎮痛剤:使う or 使わない。(動物病院で積極的に痛みのコントロールがされ始めたのは、7、8年ぐらい前とつい最近の話です)


・入院(避妊手術):する or しない。(長いところでは1週間の入院という病院もありました) 


・1日の手術件数:件数が多いと時間に追われるので、手術というよりは流れ作業のようになってしまいます。


 


思いついた項目を書き出してみたのですが、結構ありますね


それぞれ説明を書こうと思ったのですが、えらいことになりそうで躊躇してしまいました。


飼い主さんからすると、去勢・避妊手術は狂犬病のワクチンみたいにどこの病院で受けても同じ物と思われているかもしれませんが、


費用だけじゃなく実施している内容も動物病院によって全然違います


当然、安全性も違います。


 



健康だと思われる犬・猫で大した手術ではないから、


よっぽど変なことさえしなければ大丈夫だろうという考えの動物病院は、わりと多いです。



実際、ある程度適当な方法だったとしても頻繁に問題は起こらないかもしれませんが、


コストを下げるためや、面倒だからといって術前検査や血管確保、気管チューブなどを省略したりというように、


手を抜けば抜くだけ確実に問題の発生率はあがります。


不妊去勢手術は予防のための手術ですからできるだけ安全に行われなければいけません。


 


あと悲しい話ですが、6月に3年の業務停止命令がとけてしまう多摩センター動物病院のように


でたらめな動物病院があったりもします(かなりひどい事件でしたので、検索をするとすぐに詳細がわかります)。


大切な家族の命に関わることなので、これから不妊去勢手術をしようと考えていてかかりつけの動物病院がない場合は、


何件かの動物病院で説明を受けて納得できた病院で手術を受けられてもいいのかなと思います


 


http://blog.goo.ne.jp/kurocatash/mo/17be6cb77b81ee447f1c11030ad53672


避妊手術した日の夜に、ご機嫌で手をモミモミしているミューズちゃんです(鳴き声は別の猫ちゃんです)


 


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 アッシュ犬猫クリニック  西宮市の夙川にある動物病院です


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