先週の木曜日、仕事が終わってから久しぶりに大阪市にある二次診療施設ネオベッツの
セミナーに行ってきました(夜は夜間救急をしている施設です)
午後の診察がスムーズに終わり入院患者の治療をして、電車だと少し遅れるかもしれないので車で向かいました
予定ではセミナー開始の9時にちょうど間に合うぐらい、
ただそんなときに限って左折するところを行き過ぎてしまい、
大回りして元の道に戻ると遅刻するので交差点でUターン。
そしてUターンし終わった地点にたまたま自転車で通りがかった警察官とばったりご対面
旋回禁止の交差点で軽快にUターン、色々とナイスタイミングが重なり御用です
あともう少しで免許証がゴールドカードになるところだったのに。。
(今まで運がよかっただけですが)
せっかく仕事がスムーズに終わってセミナーに間に合うはずだったのに。。
まぁ人生、そんなもんですよね
セミナーの話に戻りたいと思うのですが、今回の内容は開胸手術
開胸手術というのは胸の中を扱う手術で、
肺・心臓・縦隔・食道・気管などに異常があるときに実施します。
開胸手術のセミナーは珍しいのですが、
なぜかというと胸を開ける手術が実施されること自体が稀だからです。
どれくらい稀かというと、獣医師が10人ぐらいいる動物病院でも0件の年があったり、
また患者数だけじゃなく実際に手術している病院が少ないのです。
(獣医が5人以上いるような規模の病院でも手術していないところはわりとあります)
そういう事情もあり開胸手術の資料・セミナーは開腹手術に比べて圧倒的に少ないので、
今回のセミナーは貴重なだけでなく内容も勉強になったし行った甲斐ありでした
当院では去年、開胸手術は心膜切除術と肺葉切除術を実施しました。
せっかくなので次回は肺葉切除術について書いてみたいと思います
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アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
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12月は喘息というか風邪というか新型インフルエンザというか、まあ要するに咳がひどく体調が悪かったのですが、
15日の臨時休診の時に2年ぶりの東京に行って来ました
久しぶりの東京だったので昔の勤務先や大学に遊びに行きたかったのですが、
学会出席が目的だったのでどこにも行けないどころか、行動範囲は学会会場・居酒屋・ホテルだけでした
17日(木)は平常通りの診療だったので品川駅6時発の始発新幹線に乗り、さくら夙川駅に8時50分すぎに無事到着
ただこの日は長かったです
こんな寝不足の日に限って、お昼の手術は午後の診察時間の途中までかかり大変だし患者さんをお待たせするし、
という感じで仕事が終わる頃にはお疲れ状態だったのですが、、
毎月出席している平田先生のセミナー(箕面で21時半〜23時半)を予約していたので出席し、
帰ってきてからお昼に手術したワンちゃんに食事をあげて自分に晩ご飯をあげて終了でした
さすがにこの日ばかりは自分の無鉄砲さを後悔しましたが、なぜか東京に行く前より体調が良くなっていたので
結果オーライです
アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
ずいぶんとブログをほったらかしにしていました
単にずぼらだったわけではなく割とバタバタと休日も働いていたので仕方がなかったのです。
そんなふうに思っていると、頭の奥の方から「それじゃあ仕方がない」という癒し系の言葉が聞こえてきます。
まったく都合のいい思考回路です
8月22日(土)と27日(木)の21時半〜23時半に箕面市にある北摂夜間救急病院のセミナールームで開催されたセミナーに行ってきました。
22日は酪農大学 廉澤先生による腫瘍症例検討会、27日はIDEXX 平田先生の血液学でした。
両方とも本にはのっていない情報満載で、行って正解のすごく勉強になるセミナーでした
その中ででてきた話題を一つ紹介してみたいと思います。
犬の皮膚腫瘍の中でもっとも多いといわれている肥満細胞腫(皮膚以外にも発生します)の治療薬についてです。
肥満細胞腫は悪性度によって3段階に分かれていて、一般的な分類方法でもっとも悪性のグレード3は外科手術単独での治療では
5年生存率が13%というデータがある恐い腫瘍です
悪性度の高い肥満細胞腫に対して4年ぐらい前からメシル酸イマチニブという抗癌剤が使われるようになってきました。
従来の抗癌剤はがん細胞だけでなく正常な細胞も障害を受けるので副作用が起きやすいのですが、このメシル酸イマチニブという薬は分子標的薬というもので、
がん細胞を選択して攻撃するために効果が高く副作用は少ない非常に優れもののお薬なのです。
そんな良いお薬にもやはり欠点があります。
このお薬、めちゃくちゃ費用が高いのです
10kgのワンちゃんだと1日に1カプセル飲むことになるのですが、これが病院に入ってくる金額で1カプセル3300円ぐらいします。
原価で考えても薬代だけで30日、10万円(20kgだと20万円)
この鬼のような費用について朗報です。
インドの会社が販売しているジェネリック(後発品)だと1カプセル370円ぐらいで個人輸入できるそうです。
ただインドの会社は先発品の権利を無視して後発品をつくっているため、未承認医薬品という扱いになるみたいです。
ジェネリックは先発品と同じ薬効成分でも効果が落ちることがあるため使うかどうか悩むのですが、
廉澤先生が使った感触ではこの薬の場合はしっかり効果が出ているみたいです。
先発品からジェネリックになるとすごく安くてお得な感じがしますが、1日の薬代が原価で370円、
この金額だけで考えるとお得な感じではなく現実を感じますね
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アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
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8月1日(土)に慢性肝疾患における内科管理というセミナーに行ってきました!
実はこのセミナー、大阪市内で19時〜22時というスケジュールで午後の診察時間とかぶってしまうのであきらめていたのですが、
良いのか悪いのか受付終了の19時半で仕事が終わることができたので、なんとか20時45分ぐらいに会場に到着することができました
途中からしか聴講できなかったのですが参加して良かったです。久しぶりに「目からうろこ」でした
肝臓病が進んで肝臓の働きが落ちてくるとタンパク質をうまく代謝できなくなって痙攣をおこすので、食事に含まれるタンパク質の量を制限しなければいけません。
しかしタンパク質を制限しすぎると低タンパク血症をおこしてお腹に水が貯まったり色々と障害が起こってしまいます。
このジレンマを解決するために、タンパク質の量を制限しつつアミノ酸の比率を工夫して代謝しやすくしている肝臓病用フードで食事療法をおこないます。
ここからが今回のセミナーの本題です
今までは肝臓の働きが落ちてくると漠然と肝臓病用フードで食事療法ということがおこなわれていたのですが、
新しい方法は血液中のアミノ酸濃度を測ってタンパク質の代謝がうまくいっているのかを確認して栄養管理をするということでした。
これまでは《肝臓の働きが落ちている→肝臓病用フードを与える→状態が良くない→重病だから仕方がない??》でしたが、
これからは《肝臓の働きが落ちている→肝臓病用フードを与える→状態が良くない→血液中のアミノ酸濃度を測定し、異常なら食事療法の見直し》となります。
今回の報告では、肝臓病用フードを食べているだけではタンパク質の代謝がうまくいっていないことが多く、
血液検査結果をもとに食事療法の見直しをするだけで格段に状態が改善することが多いということです。
血液検査と食事療法というあまり負担のかからない方法で肝臓病とうまくつき合えるかもしれないという、うれしい治療法の講演でした
*注意*
肝臓病用フード(ヒルズ l/dやウォルサム 肝臓サポート)は、肝臓病が進んで肝臓の働きが落ちたとき用の特殊な食事です。
血液検査で肝臓の酵素ALT(GPT)やAST(GOT)が高いだけで、肝臓の働きが落ちていない場合に肝臓病用フードを食べていると、
肝臓が再生する(治る)ために必要なタンパク質が不足して、むしろ悪化してしまう可能性がありますので気をつけてください
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アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
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7月28日に製薬会社の方に院内セミナーをしていただきました。
今回で何回目かは忘れてしまったのですが毎月1回、病気に対する栄養管理というテーマで
毎回1〜2時間程度、講演してもらっています
ほとんどの慢性疾患(治らない病気)は栄養管理がとても重要で
特に慢性腎不全の場合は食事管理をすることによって明らかに寿命が長くなることがわかっています。
健康なときは食事に対して神経質にならずにアバウトでいいと思うのですが、
お年をとって病気になってしまった時に病気用のフードを食べてくれなかったら困るので、
あまりグルメにならないようにだけ気をつけましょうね
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アッシュ犬猫クリニック 西宮市の夙川にある動物病院です
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